
線維芽細胞とは
線維芽細胞は、皮膚の真皮層に存在する細胞で、コラーゲン(肌のハリを出す)、ヒアルロン酸(潤いを保つ)、エラスチン(弾力性をもつ)の産生をおこなうことにより、肌の保湿、弾力性維持において重要な働きを担っています。
線維芽細胞は、紫外線、ストレス、加齢によって減少していきます。肌が少しずつハリや潤いを失っていくのは、この線維芽細胞の減少に伴うものと考えられています。したがって、この線維芽細胞を体外で増やし、皮膚内に投与することで、肌本来の機能を取り戻すことが期待できます。
線維芽細胞を用いた治療について
線維芽細胞を用いた治療は、皮膚の一部(線維芽細胞を含む)を採取し、細胞を増やしたのちに体に戻す(皮下注入する)という新しい治療です。線維芽細胞を皮膚内に投与することで、肌本来の機能を取り戻すことが期待できます。
線維芽細胞療法の手順
診察と血液検査
この治療に同意していただけた場合、診察や血液検査などをおこないます。紹介状をお持ちの場合は、確認の上で実施させていただきます。ここで診察や血液検査の結果、医師が不適切と判断した方は、本治療をおこなうことはできません。
皮膚採取
耳の後ろから7×3 mmの皮膚を採取します。エピネフリン入りキシロカインで局所麻酔をするため、痛みは感じません。創部は絆創膏で固定し、約1週間で治癒します(医師の判断で縫合することもあります)。
同日に、細胞培養に用いる血液を採取します。採血量はおおよそ70-80 mLですが、医師の判断で変わることもあります。
※採取した皮膚の状態が悪く、規格に準じた細胞数が作成できない場合、皮膚を再採取する、または治療自体を断念せざるを得ない場合があります。
細胞培養
お預かりした「皮膚」から細胞を抽出します(細胞抽出)。抽出された細胞は細胞培養を経て、特定細胞加工物(治療用に用いられる真皮線維芽細胞)となります。
細胞移植
表面麻酔を約20~30分行います。
非常に細い針で、細かく穿刺し、細胞を移植します。移植時間の目安は1ccあたり約15分程度です。治療部位に応じて機械(水光注射)による細胞移植と手打ち注射による細胞移植を使い分けます。
細胞移植直後は凹凸や針跡が出現しますが、1~2日でほとんど目立たなくなります。まれに「腫れ」が1週間以上続くこともありますが、これは正常な生体反応です。
移植に際し、細胞の分散を防ぐ目的で人工関節液「アルツ:超短期吸収型ヒアルロン酸」を、少量使用(適用外使用)します。
※効果の出現程度、持続期間は患者様の症状や年齢、治療回数により異なります。
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